はじめに
スマホや電卓が当たり前になった今でも、「そろばん」は頭の中の計算力を鍛える最高の道具です。
子どもの習い事として人気なのはもちろん、大人の脳トレにも最適。
今回は、初めてそろばんを触る人向けに、基本的な使い方と計算のコツを解説します。
そろばんの構造を知ろう
そろばんは、中央に「梁(はり)」があり、上に五玉、下に一玉が並んでいます。
1つの縦の列(桁)で「5+1+1+1+1=9」まで表現できます。
上の玉(五玉)=5
下の玉(一玉)=1
柱(桁)=一の位、十の位、百の位…
梁に玉が付いている=その数字を「使う」状態、
離れている=「使わない」状態です。
そろばんの持ち方と置き方
- 机のやや右寄りに置きます。
- 左手でそろばんの左端を軽く押さえ、右手の親指と人差し指で玉をはじきます。
- 親指は下の玉(一玉)を上に押し上げる、
人差し指は上の玉(五玉)を下に押し下げる動作が基本です。
最初は「カチッ」と音を出すように動かすと感覚がつかみやすいです。
数字の読み方・置き方
例:
- 「1」は一番右の桁で一玉を1つ上げる。
- 「5」は上の五玉を1つ下げる。
- 「6」は五玉を1つ下げて、一玉を1つ上げる。
- 「10」は一つ左の桁(一の位の次)で一玉を1つ上げる。
これを繰り返して数字を作っていきます。
加法(たし算)の基本
例:3+4を計算してみよう
- 一の位に3を置く(下の玉3つ上げる)
- そこに4を足す → 一玉を4つ上げようとすると1つ足りない
- 一度すべて下げて五玉を1つ下げ、
残り(2)を下の一玉で上げる。
結果は7になります。
そろばんの「繰り上がり」を体感できる最初のステップです。
減法(ひき算)の基本
例:8−3を計算してみよう
- 一の位に8を置く(五玉+一玉3つ)
- 3を引く → 一玉3つ下げるだけ。
結果は5になります。
引けない場合は「一段上の桁」から借りるという考え方を使います(後述)。
練習のコツ
- 最初は 1〜10 の数字を「置く」「消す」を繰り返す練習から。
- 慣れてきたら「たし算・ひき算」を口で言いながら手を動かす。
- 一桁ずつ正確にできるようになったら、二桁・三桁の練習に進みましょう。
そろばんを続けるメリット
- 暗算力・集中力・記憶力の向上
- 左右の指を使うため脳の活性化に効果的
- 静かな環境で「音」を聞きながら計算する心地よさ
大人の趣味としても、落ち着いた時間を持つのにぴったりの道具です。
おわりに
そろばんは「古い道具」ではなく、
今も十分に実用的な**“頭の中の電卓”**です。
まずは「玉の動かし方」から始めて、
毎日数分でも触る習慣をつけてみてください。
数字が立体的に見えてくる感覚が、きっと面白くなってくるはずです。